アメリカ史がもっと好きになる!「若い読者のためのアメリカ史」
今回は、「若い読者のためのアメリカ史」という本を紹介したいと思います。
本書は、アメリカの重要な歴史的瞬間を若い世代に伝えることを目的としています。著者のジェームズ・ウエスト・デイビットソンはアメリカの歴史家で、特に若い読者を対象にした歴史の書籍を多く執筆しています。彼の書く歴史書は、教育的な内容をしっかりと維持しつつ、読みやすいスタイルが特徴です。また、歴史を生き生きとした物語として伝えることに長けており、本書も教科書的な重厚さを持ちながらも、エンターテイメントとしても楽しむことが出来ます。
米国の歴史的出来事の網羅
本書は、アメリカ合衆国の形成から現代に至るまでの重要な出来事を網羅しています。先住民の歴史やヨーロッパからの探検者たち、独立戦争、奴隷制度、産業革命、世界大戦、民権運動に至るまで、アメリカの歴史の複数の側面が扱われています。各章は特定の時代を焦点にし、その時代の政治的、社会的、文化的背景に深く潜り込んでいます。
米国の歴史というと独立戦争や南北戦争あたりにスポットがあたりがちですが、個人的には以下の点に関しても興味深く読むことができました。
- ヨーロッパ諸国の先住民に対する侵攻やスタンス
- 産業革命期の雇用主と組合の対立
- 歴代大統領の取り組みとその背後にある苦悩
建国の理念と現実のギャップ
米国建国の基本理念として、1776年の独立宣言の中で次のような文章があります。
“We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.”
日本語では「われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すべての人間は生まれながらにして平等で あり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられているということ」という意味です。
「自由」や「平等」が基本理念でありつつも、米国の歴史を見るとそれを実現することがいかに難しかった実感することができます。1492年にコロンブスがアメリカ大陸に上陸した時点で既に多数の先住民が存在していましたし、その後多様な人種を受け入れています。
その中で「奴隷制度」、「人種問題」、「貧富の格差」等が大きな問題として存在してきました。本書では、人々がそれらの問題に立ち向かい「自由」と「平等」を実現しようとするアメリカ合衆国500年強の歴史が壮大に描かれています。
またその歴史を知ることで、なぜ現在においても「差別」や「分離」が起きてしまうのかを考えるヒントになると思います。
本書の詳細はこちらでご覧いただけます(「若い読者のためのアメリカ史」のAmazonリンク)。
その他オススメ書籍
最後に、こちらの記事で本書を含むアメリカ史に関する他のオススメ書籍も紹介していますので、もし良ければご覧ください。
まとめ
投稿者プロフィール
- 1988年生まれ。神奈川県出身。2011年に慶應義塾大学理工学部を卒業し不動産デベロッパーに入社。2017年より米国ピッツバーグ大学に留学。2019年にBeta Gamma Sigma (優秀な成績を収めた卒業生に送られる称号)で卒業しMBA取得。2019年以降米国不動産業に従事し、2021年以降ボストンを拠点にオフィスや賃貸住宅のアセットマネジメント業務に従事。
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